イギリスのフリーマーケットで

イギリス社会
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イギリスのフリーマーケットはまるでお祭り

家の近くのフリーマーケットは、

古い駅で毎週末、開催される。

昔からの古いビーチリゾート地で

この街を発展させた鉄鋼産業の

鉄でできた駅はかなり大きく、

毎週末大変な人出で、まるでお祭りのよう。

時々地元のミュージシャンによる

ライブミュージックも行われてたりする。

 

 

時代によって出し物も変わっている

以前は食べ物屋台などは一切見なかった。

でも最近はランチを出す屋台がどんどん増え

全体の1/4くらいが食べ物屋になっている。

日本食を売っている日本人も見かけた。

 

過去にイギリスの植民地だったからか

アフリカ系の食べ物やさんもいる。

おいしそうな、シチューかけライスというか

アフリカ風豚丼のようなものも売っている。

なんとなく食べたことはないが、惹かれる。

 

イギリス伝統の食品を売る店も大人気で、

パンとかケーキを売るベーカリーはもちろん

手作りソーセージ類なんかも売っていて

どれもおいしくフレッシュ。

 

 

個人でやっている地元の商人が多い

Flea Market Afternoon Tea Stands写真は、ティーカップを使って作られた

アフタヌーンティーのケーキスタンドだ。

時代物のティーカップを

アフタヌーンティーの皿にリメイクした作品。

このようにフリーマーケットの特徴は、

チェーン店などでなく、地元の独立した商人や個人であること。

 

個人の場合、自宅のコレクションを持ち込んだり、

手作りの品物を売ったりする。

 

私はこのマーケットから手編みのひざかけは何度も購入した。

売り主の84歳のお母さんのお手製のとか。

 

 

他にも自宅の表札から、

手編みニットの帽子やら、

手作りのカード(多数)から

インテリア小物からスーツから、

アクセサリーにジュエリー、

パンプスからスリッパ、

植木まであらゆる物を

ここのフリーマーケットで買った。

 

街で買うより半額以下で

重宝しているから。

ルールなし、交渉オッケー、旅人におすすめの店は?

独立した商人や個人ばかりなので

ルールとか関係なしで

注文して作ってもらったりする。

 

交渉だってマーケットならできる。

マーケットで買ったビスケット缶はゼンマイ式で、

赤い台から上の部分を回すと音楽が始まる。

中にはビスケットの粉が残ってて、

実際ビスケットを入れて使われてたのを

100円まけてもらって500円で買った。

 

1番オススメなのはこの人もだけど、商売でやっていなくて、

個人で不用品を売っている人。

何故かと言うと. 1つの店でさまざまなものが売られてるから

ただ漫然と見るにはこれが楽しい。

イギリスで使わないものが屋根裏に詰まっている家は普通で、屋根裏の物はもしかすると100年位前のものもあったり、アンティークな年代ものが多いのですごく楽しい。

新品ではないものの、利益目的ではないので、

食器、置物、アクセサリー、バッグなどたとえ品質が良くても

価格が2足3文だから、通りすがりでも気軽に買うことができる。

 

作っている本人とちょっと

おしゃべりするのも楽しみの1つ。

私は気に入った中古品を見つけると、

商品がどこから来たのか聞くことがある。

そうすると「別れた奥さんの集めていた物」だとか、

「自分が居間で使っていた」だとか、答えが返ってくる。

 

 

個人のチャリティーも

ある日、中年の女の人2人が並べている服や靴が

とても可愛くて、

しかも全部ブランド品で、

新品タグが付いている。

ハンドメイドや中古品ではなさそうだ。

ブルーのエスパドリーユや、

ベージュで裏地が花柄のレインコート、

レースのブラウスなど、甘く優しいデザインが多い。

とりあえずと言うよりは、

継続的なプロジェクトのために作ったような

「ベスのためのチャリティー」と言う看板が下がっている。

 

売っている人と話してみたら

「これみんな新品ですか」

「そうよ」

「全部同じサイズで、サイズさえあえばお得よ」

私にぴったりのSサイズ。

全部同じということは1人の人の持ち物だったのか。

 

このマーケットで、

さまざまなブランドの新品を売ってるのは

初めて見たので、不思議に思って聞いてみた。

「どこから来たものですか」

「妹が心の病で、たくさん洋服を買って、

使わないままのものがどっさりあって」

隣の女の人が言う。

「私たち、ベスを支援するためのチャリティーを行なっているの」

 

女の人2人の表情からは他の売主とは違う、

ベスへの明白な愛情だけでなく、

彼女を支援する、やわらかいが

強い決意みたいなものが感じられた。

 

「どこから来たものですか」と聞いた

イギリスにはチャリティーショップも多い。

どんな人が寄付するのかなとずっと思っていた。

でもこれまでは「誰かの不用品」くらいに思い、

気楽に買っていた。

 

 

この「ベスのためのチャリティー」と言う店では、

「どこから来たものですか」という質問等

すべきじゃなかったすべきだったのかと思えた。

 

「ベスのため」と銘打っているから、

秘密でもなかったかもしれない。

 

でもベスと言う心の病の女性は、

きっと普通の生活を送れていないのだろう。

その姉や友人が援助し、資金を作らなければならない

困窮する状況にあるに違いない。

 

 

デザインも価格もサイズを自分にぴったりの商品で、

買えばこの人たちの助けにもなる。

そう思ってできるだけたくさん

買いたい気持ちはあるのに、

置いてある物のほとんどが

イギリスで着る機会が限られる

夏物と言うこともあったけど、

なぜか迷ってしまう。

 

私は身近に心の病の人がおり、

その家族の気持ちが少しわかる。

心の病の人の気持ちもちょっとは、想像できる。

 

絶対に満たされない心の隙間を、それでも埋めようと、

着ることのない服をひたすら買い続けて、

その服が心でなく、家の隙間を埋めている。

 

 

私は彼女の服を着る度に、

ベスの苦しみや支援者たちの悲しみという、

心の重さまで感じることになるかもしれない。

 

結局私は何も買えなかった。

 

でもどしゃ降り雨の日、

私にサイズがぴったりだったのに買わなかった

ベスの小さなレインコートを思い出す。

 

 

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