アンダルシアの女性はみんな踊れる?
マラガのスペイン語学校では、フラメンコのレッスンというアクティビティがありました。
私が「南の人はみんなフラメンコ踊れるんですか」と聞いたところ、先生が、アンダルシアの人が踊るのはセビリアーナという踊りで、フラメンコとは少し違うと言っていました。
昔イギリスなのに、スペイン人の経営だから寮生もスペイン人の女の子ばかりの女子寮に住んでいました。女の子の1人がカディスというスペインアンダルシア地方の出身で、その後彼女の自宅に遊びに行ったのです。お母さんやその子が、アンダルシアの人はみんな踊れるとか言いながら、どこからかカスタネットを持ってフラメンコを踊り始めました。
観光客向けはニセモノという不安
フラメンコのレッスンから数日後、たまたま入ったカフェの向かいにツーリストインフォメーションのチケット売り場があることに気が付きました。コーヒーを1口飲んでから、小さなボックスオフィスに一人でいたお姉さんに、フラメンコ見たいんですと言ったら「この家族は本物」と一言だけ説明しリーフレットをくれました。「本物」とはどういう意味なのかは、とりあえず確認せず、ツーリストインフォメーションの女性にどこでやってるのか聞くと、なんとアパートから徒歩5分ぐらいの、毎日スペイン語の語学学校に通っている通り道じゃないですか!
「ん?でもそんな場所あったっけ?!」
少しわかりにくいものの、マラガの中心地
翌日マラガの有名なメルセド広場を一本入って、風情のある古いバーなどある裏通り、牛だったか馬だったか忘れたけれど彫刻の頭から水が出ている印象的な水場の近くに看板を見つけました。当日学校から帰ってアパートで夕飯食べたところで行ってみた。従業員1人カウンターの奥にいるだけのバーみたいなとこで、ココですかーと聞いたらそうだよ上の階でだけどまだ早いよーって言うからバーで立ったままぼーっとしてました。
と書くと、あたかもスペイン語ベラベラみたいなけど、ひとこと言うのも事前にスマホの辞書チェックって具合でもうビクビクですよ。
フラメンコの踊り子も、スマホでフェイスブックチェックしてる!
ちょっと落ち着いて来たら、あれ、おばちゃんに、若い女性、小学生位の小さな女の子の、大柄の水玉模様に、派手な色の髪飾りをつけた3人が並んで向かいのソファーに腰掛けてる。そのうちの25歳位の小柄な女性が私の方にきてバーで何か飲み物注文すると、服装こそいかにもフラメンコって感じだけど化粧も大して濃くないし、隣のお姉さんって感じ。しかもちょうど私と同じようにスマホでFacebookのニュースフィードを眺めているじゃないですか!
思わず、あなたこれから踊る人なの?とまた翻訳アプリをそのまま声に出して聞いてしまいました。そうよと彼女はプロって感じで受け答えは自信満々ながら、にっこり笑いかけた。
舞台は豪華な建物の中だけど、階段踊り場
観光地の観光客向けのフラメンコなんて嘘っぽいチャッチー面白くない偽物と思って、正直全然期待してませんでした。ちょうど以前セビリアの典型的な観光地の真ん前にあるパエリアのレストランで頼んだパエリアがそんな感じでとてもいただけなかったように。そこのパエリアは黄色い色をつけたご飯に塩をご飯の量と同じ位塩混ぜただけって言う代物でお腹減っていたのに2人揃って半分くらい残したっていうほどだった。
予定の時間になっても私以外の人誰も来ません。でも彼女は階段で上がって行ってしまったので私も、歴史のあるホテルのエントランスみたいなとても大きな階段で、上の階へ。先の部屋へ行くドアがいくつかあるホールはすごく天井が高いとは言え、部屋でなくただの階段の踊り場。普通の観光客向けにしては殺伐として、大きめのスクリーンがかかって前に椅子がわずか15脚ぐらい並べているだけです。続いて他の客がカップル1組だけ登って、ワインもらったらツーリストインフォのお姉さんが言っていたように、さっきの3人の女性のほかにも、父と兄って感じで家族っぽい人たちが現れたんです。
「エレンディラ」の娼婦のように美しく、官能的な少女
何も説明もなしに兄らしい人がギター演奏を始めました。力強いリズムにのっけから凄い迫力でした。また別の観光客らしいカップルが1組ワインを手に持って下から上がってきました。で最初は確かさっき下で会った割と歳のいったお母さんらしい人が息子と夫のギター、夫の歌に合わせて、激しい動きで踊っていました。それからバーでFacebookのニュースフィードを眺めていてにっこり笑っていたお姉さん、それから兄が、お母さんの拍手とお父さんのギターに合わせて踊り、最後は11歳位の1番下の娘って感じのでも濃いメイクをした少女が、順番に1人ずつ踊ります。1番下の子はガルシアマルケスの作品「エレンディラ」の年端も行かぬ娼婦のように美しく、まぁなんと燃えるように官能的で情熱に溢れた踊りなのでしょうか。彼女はまるで実際は100歳のおばあさんなのに見た目ははかなげな少女であるといった、ラテンアメリカの物語の神話的な登場人物を体現していました。子供なのに生きる喜びも苦しみも知りぬいた老婆のようにも見えました。
フラメンコレッスンの成果?
観客が数人しかいないうちの私が特に熱心に聞き写真を撮っていたのか、1時間ほどの演奏の最後で、さっき下のバーで隣にいた女性が手を引いて来て一緒に踊ろうと誘うものですから、仕方なく一緒に恥ずかしげもなく踊ってみました。これもスペイン語の学校でフラメンコレッスンを何回か受けたからこそ少し勇気がいったけど上がれたわけで、それがなかったら絶対拒否していたでしょう。そのあとちょっとだけ話した少女「エレンディラ」は、踊り終えればなんのことはない、魔法が解けたみたいに、背もずっと低く見え、痩せっぽちの子供でした。
会場とチケット
会場:Calle Beatas, 21, 29008 Málaga, スペイン
(マラガのピカソ美術館などツーリストアトラクションからも徒歩数分の所)
グループの名前:Tablao Los Amayas,
Google マップがあればたどり着けると思います。
価格は確か3000円位で、街のツーリストインフォメーションか、ボックスオフィスでチケットは買えます。
トリップアドバイザーのリンクはこちらになります。
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