売主さんが家を売りたかった本当の理由

イギリスで家を買う!
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去年の夏、その後わが家となった家を、内見で初めて訪れた時のこと。

私が、家を出るなり小躍りして、

「やっと理想の家が見つかったね!」

と話しかけると、ツレは吐き捨てるように言い放った。

「こんな家、住むもんか!」

ええっーツレが気に入っていたエリアで、予算にもピッタリな家なのに?!

その結果大げんかしたことは過去の記事に書いた

「は、はあっ、なんでそんなこと言うの?」と詰め寄る私にツレは言った。

「また家を壊されるかもしれんぞ!」

 

そう、内見中、目ざとく玄関の壁の穴と、玄関ドアの割れ、さらには玄関の隣の窓も割れているのを発見したのは、他でもない、ツレだった。

「見ろよ!なんだこれは?」

住んでいた売主のパティントンさんに聞いたところ、玄関周りの損傷は、パティントンさんが「これまで世話をして来た人が、酔っ払って窓を割ったり壁を蹴ったりした時のもの」だとのことだった。

 

私たちが家を買った経緯は、こちらをご覧ください

 

見知らぬ訪問者

つい最近、夜8時近くに玄関のドアを激しく叩く音がした。

「誰だろう?」

ツレは2階で気づいてなく、時間も遅いので、私は迷った。

しかし、ドアを叩く音は全く止む気配がなかった。

しょうがなく階段を上って、

「ねえ、誰か下でドアを叩いてるよ」

ツレがドアを開けに行くのを、こわごわ2階の階段の踊り場から見ていると、

ドアの外に立っていたのは30代くらいの女の人で、何だかお金のことを話しているようだ。

女の人は10分ぐらいツレに粘り強く食い下がっていたが、ツレが冷静にとりなしてようやく帰った。

「何の用だったの?」

「パティントンさんを訪ねてきたらしい。彼に、何かお金を払ってほしい、みたいなこと言ってた」

 

パティントンさんに最近お会いした件

「えーっそれはまたどうして?」

「(元牧師の)パティントンさんは教会をリタイアしてからも、何かの委員会のようなところのメンバーでいろんな人に会うから、その関係でパティントンさんを知ったんだと思うよ」

「でもお金払ってもらいたいって、どういうことなの?」

「別に払うことをパティントンさんが約束してたとかじゃなくて、きっと彼女、パティントンさんに会ったこともないんじゃないかな。

ただパティントンさんが、彼女のような人を支援する委員のメンバーだと誰かから聞いて来たんじゃないかなあ」

「なるほど。であなたはなんて言ったの?」

「実はね、パティントンさんから、そういう人が訪ねてくるかもしれないって聞いてたんだ」

 

 

誰にも絶対に居場所を教えてはならない?

内見の時、売主のパティントンさんは、玄関を壊した人のことを驚くほど正直に話してくれていた。

過去、何らかの金銭的な援助をしていたこと、しかしこの時はさすがに警察を呼んだこと、家の保険会社に保険を請求したが、知り合いだと言うことで保険が出なかったとも。

結局、パティントンさんは玄関の窓ガラスを、不動産会社が紹介したガラス屋に1万円か2万円払って修繕してもらい、ドアにかかる見積もりが20万だったので20万差し引いた金額で家を売ってくれることになった。

今のところ、ドアは割れが思ったより小さい範囲で今すぐセキュリティが不安とまでは言えないのと、ロックダウンで人との接触を制限されていることもあり、室内の壁の穴もそのまま。(悲)

 

 

「パティントンさんからは、誰が訪ねて来ても絶対に自分の住所や連絡先は教えないでくれって言われたんだよ」

(う~ん、なんか不穏な空気)

「え~じゃさっきの女の人はどうしたの」

「だから、前の売主が今どこに住んでるかは知らない、って言ったよ」

「不動産会社の人なら知ってるはずだけどね」

「あーパティントンさんには、もし誰かが自分を訪ねて来たら、必ず知らせるようには言われた」

その後台所に移動してお茶を入れている時だった。ツレから、意外な話を聞くことになったのは。

 

イギリスで家を買ったら警察が来た

「この家に引っ越して来たばっかりでカーラ(近所に住んでいるツレの姉)が来ていた時のことなんだけど、その時も玄関ドアを、ドンドンと叩く音がして、カーラが出たんだ。そしたらカーラが駆け戻って来て

「『ポール、ちょっと来て!警察が来てる!』って言うんだよ」

 

「えー!警察?!そんな話、あなたから初めて聞くわ!」

「あでも、事前にパティントンさんから聞いてたんだよ、警察が来るかもしれないって」

「何ですってー?!」

「パティントンさんの世話してた人の1人が犯罪に関わったらしくて。だからパティントンさんは『訪ねて来た人がいたら、必ず自分に知らせるように』と言ってたんだよ。警察に追われてる人かもしれないから

 

家を売りたい本当の理由?

内見後、家を契約する前、ツレのカーラさん以外のもう1人の姉に家屋調査士(家のインスペクター)を紹介してもらい、インスペクションをしてもらった。

その後家屋調査士を紹介してくれたツレの姉に会った時、

「家屋調査士は、『あなたの弟の家を調査したら、よい家なのにお得な価格だったので驚きました』と話していたわ」

と言われ写真を見せると、

「売主はなんでこの家を売りたいの?」

足腰が弱って来てから、2階建の家じゃなく平屋に引っ越したいって言っていたことを話し、

「この、写真の端っこに写ってる人が売主ですよ」

「あら、まだ若いじゃない。そんな年齢なの?」

そう言われて改めて見ると写真に写るパティントンさんの年齢は、私たちとそこまでは違わないようにも見える。

もしかして、ツレの方の勘があたったのか。。。

パティントンさんの家を売りたい「本当の理由」は、「誰かがまた家を壊しに来る」とツレが言っていた、まさかそのことだったのか?(怖)

 

そして、この家の契約を弁護士が準備していた頃、前を通った時、若い男がドアの前で、家の主のパティントンさんを待っているのを見かけたことがある。

家の前で体育座りで、いかにも時間に急ぐ理由がない人のような、あらかじめ約束したわけではなく、しかも初めてでなくいつものことのように落ち着いて、覚悟していつまでも待っている様子だった。

1回だけでなくその後も、同じように家の前でぼんやりとパティントンさんを待っている人を見た。

「パティントンさんを待ってる人がいるよ。ねえ、家を売りたい理由は、こう言う人が訪ねて来るのがいい加減イヤになったからかな?」

が、その時点ではツレもすっかり家が気に入っており、用がなくても家を見たくて前を通っていたほどで、危険性について再検討されることはなかった。

 

わが家に、お尋ね者が訪ねてくるかもしれない

玄関ドアを叩く見知らぬ女の人を相手にしばらく話した後、キッチンでツレと会話を続けた。

ツレはなんでか、お茶を淹れてまったく平然としている。

 

「で、警察が来て、どうなったの?」

「警察も、また誰か訪ねて来たら教えてと言ってた。でもパティントンさんは誰か来たら自分に教えてと言ったから、今日のことも彼に伝えるよ。パティントンさんが、自分が対処すると言ってたから」

「じゃあ、警察と今日の人以外で、他に来た人は?」

「いないよ」

「カーラさんはそのことについて何か言ってなかったの」

「特には何も」

ツレの姉のカーラさんは長いこと国家公務員の仕事をして、最近リタイアしたキャリアウーマンだ。

カーラさんのエピソードはこちら

私生活では結婚離婚も繰り返し、頼り甲斐も思いやりもあるカーラさんが、弟の家に「お尋ね者が訪ねてくるかもしれない」と警察がわざわざ言いにやって来ても驚かなかったのだ。

 

その夜は「カーラさんが心配してないなら、心配ないだろう」と思い込もうとするものの、怖い考えが頭を掠めたよ。

(訪ねてくる人に暴力を振るわれたことが、売却の本当の理由だったのではないか?)

(また売主を訪ねて誰かがドアをドンドン叩くのではないか?)

(良く言われるように『不動産にお得な買い物はない』とは、このことだったのか?)

(価格が安いのは、早く売りたかったからではないか?)

 

 

イギリスの家には表札がない

イギリスは住所は通りと番地で厳格に区別され、なくても明瞭なので、個人宅の表札と言うものがない。

表札がないってことは、前の住人が引っ越ししたことはわからないのだ。

あ、そうだ表札がないなら、どうせ今の猫の額の前庭には何にもなくて、どうにかしようと思ってたのだ。

翌朝、「玄関ドアを新しくして、たくさんの植木で何もない玄関周りを一新すれば、住人が変わったことがわかるんじゃない?」とツレに言って、事前に検索して開いていることを確認した近所のホームセンターに行った。

「こんな季節、植木なんてないあるわけないだろー」とゴネるツレを店の外に置いて、中に入るとホームセンターと言うより、金物屋と言う方が良いかも(-_-b。

あ、奥にドアが並べられているではないか。男性スタッフが3人で雑談中で、「玄関ドアありますか」と言ったらいきなり「?」という顔をされる。

日本語から直訳で 「玄関ドア=Entrance Door」 と言ったのだが、(あれ、なんか英語通じない?)と不安になる。

1人が「もしかして、前のドア=Front Doorのことか?」

あ、そーか、裏口=back doorと区別するためそう呼んでいるのか!いやいや、英語の勉強してる場合じゃないでしょ。

「ドアは室内用だけしか売ってない。植木ははあと1ヶ月後に来たらいいよ。その頃なら植木もかなり入荷してるはずだよ」

ふん。とにかくあとしばらくは、パティントンさんの時のままのボロい状態で乗り越えないといけないことだけはわかったわ!😱

 

 

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