セールスコピーライティング講座(1)セールスコピーは「技術」ではない理由
元同僚の友人から、コピーライティングや広告制作の記事を書いて!と言われた。
私が通販化粧品会社でコピーライターやコピーディレクション、クリエイティブディレクション、ブランドディレクションを担当した会社で、友人は今もその部署にいるので、コピーライティングや広告クリエイティブについて、後輩が学べるような記事を書いて欲しいんだって。
それで考えたら書くことがとてもたくさんあると気づいたので、何回かに分けて書くことにしたよ。セールスコピー以外にもレーアウトなど他のモノを売る要素との関係についても書いてみよっと。
これから通販会社の宣伝部、コピーライターや、アフィリエイトにも関心ある人に向けて、以下のような事柄について数回にわたって解説していくわね!
1、コピーライティングで爆発的ヒットを生む要因は技術ではない
2、セールスコピーとそれ以外の広告コピーとの違いは何か?
3、インスピレーションが湧く、ペルソナ設定の方法って?
4.セールスコピーの技術はたくさんある
(ベネフィット抽出手法など、有効なものも多いけど、陳腐化がわかり易いのは逆効果)
5、競合研究はコピー開発とほぼ同義語
6、コピー以外で、売り上げを伸ばす要素はもっとある!
(戦略、コンセプト、レーアウト、動線、各パーツの力、説得、ブランディングなどなど!)
プロのセールスライターだからこそ、コピーのキモは「技術」とは反対のモノだと断言する
私はどんなコピーがらみの仕事でも、ありがたいことに
「あなたが担当してからモノがすっごく売れるようになった」と言われ続けてきた〜
いや〜ん( ✌︎’ω’)✌︎
通販会社の会社員時代のことである。私が「この商品は、コピーを書くの」と言うと
「やっベー、欠品(売り切れ)になるかも?」と、物流担当社員が、慌てて在庫を確認に行ったりしたことも!
通販では欠品は、売り上げの機会損失であり、絶対あってはならないことなので、
私がコピー書いた広告で上司から「お前のせいで欠品を起こした〜死ね〜飛び降りろ〜」なんて言われたこともある。あ〜これが通販業界の真実ダ。
コピーライティングのYouTubeなどすでに溢れている見たい。おんなしことを書いてもあまり意味がないから確認!と思ったけど、全部見てる時間もないので、1つだけ見てみたよん。
ふむふむ、、確かにこういったコンテンツに書かれている小手先の技術があれば、なんにも技術なしでやるよりは助けになるわね。
そこそこの売り上げアップにはにはなるし、即効性も、再現性もあるかもしれない。
でもー、モノを売ることって簡単ではないのよ!だってそんな簡単なら商売の勝ち負けなんかつかないじゃん。
それまでがあまりにも酷くて、って、書き手が自分の書きたい事だけ書いて、読者が読みたいことは書いてないところに、技術を用いて読者のベネフィットを伝えたら、効果はあっ!って驚くほどあるかも。
でも、この技術を試して実際に売ってみた人なら
「なんだーその時だけだった〜」
と、その後は頭打ちなんじゃない?
断言しちゃう!
売れるャッチコピーを作りたいなら、技術だけでは到底太刀打ちできないのよ!
てゆうかそれが「コピーの技術」の限界なの。
顧客はその広告とどこでどうやって出会うのか?
キャッチコピーでも何でもまず誰に向けてしゃべっているかと言うことがとても大切なのはもう言ったよね!
参考:刺さるキャッチコピーって?
男女年齢収入などいろいろペルソナ設定はあるけれども、セールスコピーの場合の重要な指標としては、どのようにこのキャッチコピーに顧客が出会うか?と言うことがあるよ。
ほらほら、
●顧客はすでに今まで同じ会社や同じサイトからものを買ったことがあるの?
●顧客はスマホのバナーで広告と出会うのか?パソコンのウェブサイトで出会うのか? ⇨ならどういうウェブサイトで?
●はたまたテレビのコマーシャルで出会うの?
●お気に入りの雑誌で出会うのか? ⇨ならどの雑誌?
●新聞折り込みチラシなの? ⇨ ならそれは日経新聞なのか、日刊スポーツなのか?
っていう風にね。
だからコピー書くなら、広告が掲載された媒体や、読者がその広告をどのような経緯で訪れ流入したかによっても異なるペルソナ設定をし、元からその情報に対してあらかじめ強い関心や信頼感を持って訪れたか、信頼なんかカラキシないか、などによって、違うコンテンツ(内容)、違う言葉の選択をすることが大切なのよ。
会社や製品の認知度、接触した経験によっても違うペルソナ
トーゼン顧客の会社や製品の認知度とか、接触した経験があるかによっても、構成、キャッチコピーや見出しの内容も変える方が効果的なわけ。
例えばウェブなら以前から知って何度か訪問しているサイトなのか、たまたま検索で訪問したのか、無名のサイトか大企業のHPかなど、検索動機から情報を信頼するスタンスからしても異なるでしょうね。
紙媒体の雑誌の場合、すでにその雑誌を購読している読者か、購読はしてなくても以前から雑誌の存在を知っていたりすると、読者は雑誌への信頼度が厚いことがあるわ。
もうその雑誌に掲載されているってだけで、あらかじめ信頼して読む雑誌の読者が多いの!
それに対し、新聞チラシの読者は、信頼する新聞に折り込まれた広告だからと言って信頼できると限らないと考えていることが多いけど、これも例えば自分がよく行く近所のお店なら、雑誌の場合と同じように一定の信頼を持っているだろうことはわかるわよね!
情報にどんな態度で出会うかによって言葉の選び方も変わる
そんなふうに媒体やその媒体との関わりによって、新聞チラシなど、情報を探していない人である確率が高い場合は、言い切らないふんわりな言い方よりは、パッと明確な、言い切る表現はオススメよ。
もちろん無料のオファーつけるだけの広告や、無料じゃなくてもものすごく安いとか、なら、そこまで言い切らなくてもいいわ。
逆に雑誌購読者などは、あらかじめ読むつもりで雑誌を購読しているので、広告だと気づかないほどその雑誌の従来通りの聞き慣れた伝え方であることが売れる条件になるの。
例えば「大人のデリケート肌専用のスキンケア」を、雑誌で売りたい場合はこんな風になる。
肌状態や目的でスキンケアを使い分けよう!
大人のデリケート肌専用スキンケアで、毎日お手入れをぬかりなく!
このコピーはお手入れがテーマなのか、デリケート肌がテーマなのか分かりにくいけど、あまり売りに走っていない方が、雑誌向きコピーと言えるでしょうね。
ただ何度も言うようにこれも雑誌の読者の関係がどうなのかということを事前にリサーチしなければいけない。雑誌の読者の距離がとても近い場合もあればそうでもない場合もあるから。
これが新聞チラシになると、よりエビデンス強調型にする方が売れるわね。
8年間で総販売数10倍、700万本突破
もうデリケート肌が気にならない!喜び・驚きの声届いています!
人気のエビデンスを数値で表して、さらに顧客の声と言うエビデンスも挙げていて、典型的なセールスコピーのテクニックを使っている例と言えるわ。
このように、そのコピーに読者がどんな媒体や経緯で出会うかによって、言葉の選び方を変えるだけで売れ行きは大きく違うの。
でも売るモノの種類や価格、購入=コンバージョンへのハードルの高さによっても、コピーというのはだいぶ違うってことも忘れないでね。
セールスコピーでは、ハードルが高ければ、そのハードルを低くしてあげる、必要十分な情報量が必要なの。
情報をウェブで検索して訪問した読者も、ランディングページなら、情報特化型ウェブページなら、とどう流入して訪問したか?をあらかじめ分析した上で、コピーを変えるのがオススメよ。
ターゲットを動かす文章の力が生まれるのは、書く前の仕込み
逆説的に聞こえるかもしれないけど、コピーライティングの力の源は、言葉ではないの。
だって言葉と言うのは書き手の心の中にあるものを載せる、乗り物に過ぎないでしょう?
コピーの力の源は、書き手が書く以前の、売る対象を取材し、調査、どんな形でもとにかく(売りたいモノ)へどれだけアプローチしたか?とことんしたか?というナマの体験から生まれる、書き手の脳内にある情報なのよ!
その意味でセールスライティングは、記者の仕事と少し似ている。取材する対象が、人で何かサービスや商品になったと言うだけでね。
まず「売る相手」が誰で、どういう状況なのかを知ることが大切で、ここができればコピーライティングの30%くらいは終わったも同然なの。
その次に、書き手がその対象「売りたい相手」に対してどのような「伝えたい内容」を確保し自分の頭の中で昇華できているか?でセールスの成功は70%くらい約束されている。
文章以前の、(売りたいモノ)への十分な理解から、読み手を動かす力になる言葉が創出できるんだよ〜。
ターゲットにピタリとハマる言葉が、セールスにつながる
コピーの書き方を解説するネットのブログ、YouTubeを見てると、(何か気になってるなー)
技術が過大評価され、技術以上に「何を書くのか?」というコンテンツの大事さが、あまりにも過小評価されてる!(プンプン( ´Д`)y━・~~)
残念ながらセールスコピーライターの巨人デービッド・オグルヴィが100年ほど前に提唱したのとあまり変わらない、フォーマットや心理テクニックを網羅するだけの解説を見かけるよ。
では成功のための残りの30%は何かと言うと、あとは書き手の脳内にある「書く内容」が「売る相手」にガツンと響く言葉になっているか?ってこと。
基本的なこと言うとね、あらゆるコピーにおいて気にすべき表現上の心がけは、具体的であることなの。
抽象的なことを書いたりコンセプトなどを書いても一瞬で伝わりにくいから。
よく言われるように小学生でもわかる文章は、モノやサービスを売る上で誰もが原則とする必要があるわね。
でもこれでさえも、コピーライティング に絶対に決まった「技術」や「正解」なんてない。
その理由はこれから述べるわ。
斬新な表現こそが、爆発的なセールス力に生まれ変わる
断言しちゃう。
売れるャッチコピーを作りたいなら、
小手先の技術とは真逆で、技術をかなぐり捨てること!
なぜなら全ての技術は最初から技術だったわけではなくて、最初にやった人の行為が、あまりにも優れていたために、みんながやるようになって「技術」として定着したものだからなの。
上の化粧品の例だと、「8年間で総販売数10倍、700万本突破」や、顧客からどれだけの称賛の声が届いているかと言うエビデンス、数字等は、典型的なセールスコピーライティングの技術だわ。
あいまいさがない、根拠がある、という意味で説得力を増す、オグルヴィの時代から100年関わってない手法ね。でもオグルヴィさんの時代は通販カタログだけがこんなやり口で読者を説得しようとしてたかもしれないけど、今はインターネットでセールスコピーが氾濫してる。
ネットのどの広告も同じ売り文句で「◯年間で総販売数◯倍、〇〇突破」なんてやってたら、読者の方は見慣れてしまって、「あ〜またか〜」で注意もひかず終わっちゃうでしょ!
なぜなら技術と言うのは技術になった時点でほとんど陳腐化しているものだから。
なので、よく聞いて!
「売る相手」「対象の商品」を知り尽くしたら次は、どれだけ「斬新な切り口」を探し当てることができるか?がセールスコピーライティングの本当の・本当のキモなのよ!
斬新な切り口ができれば、セールスの金脈を見つけたも同然なの。
斬新と言うのは「今までになんか聞いたことないな〜」と言う感覚であり、上に書いたような「技術」を初めて発見した人がやったような創造的な手法を生み出すことなの。
自分にはちょっと無理〜〜と思うかもしれないけど、安心して。
なぜならもしあなたが上に書いたこと、つまり売る対象(サービス、商品など)を知り、売る対象に体当たりでとことんぶつかったなら、言葉を何通りも吐き出すことが可能だし、いろんな角度で伝えることも可能。
そこから相手にピタリとハマる言葉が、きっと見つかるから。
斬新と言うのは「全く新しい言葉をひねり出す」ということ?
ノーーウ!そうではないの!
これまでその商品で使われたことのない切り口の言葉、でも「言われてみたらその通りじゃん!」と思えたらもうそれだけで「斬新」だから。
例えば、ドクターコスメというのが10年位前からあるけど、これは化粧品の医薬部外品とは全然違う概念で法律とは関係ないけれど医師が開発したコスメと言うものだった。ドクターコスメと言う言葉が流行る前から医師が開発に関わっているコスメはあったのに「ドクターコスメ」と言うコピーを被せて売り始めたことで、爆発的にヒットし真似するメーカーも続出。
結果「ドクターコスメ」は個別の商品ではなくカテゴリーになった、、、というモノなの。
ポイントは、「ドクター」「コスメ」と言う言葉自体は何も新しくないけれども、商品も前からあったモノなのに、ドクターと言うカタカナ言葉をコスメと言うカタカナ言葉に結びつけたことがヒットを生んだのね。
そういうときの売れ具合と言うのはもうセールスコピーの技術による売れ具合いとは桁違いになる。
ね、だから!こういう斬新な切り口が、爆発的なセールスにつながる道なのよ٩( ‘ω’ )و
このように売る相手と売るモノを知り言葉を紡ぎ出せば、技術など優に超える売り上げを生むことができる。
セールスライティングの世界では、尚更なの!
このような効果はキャッチコピーだけではなく見出しも同様よ。
ただしキャッチコピー、見出しについては紙とウェブとでは少々事情が違い、紙の場合はキャッチコピーと同様な創造的な言葉の創出となり、ウェブの場合はそのホームページ全体のSEO戦略、SEO分析との兼ね合いがあるけどね。
でもね、私にはそれも人間の脳と、GoogleのAI電子脳の時間差(AIの方が優れた検索関連ワードとして理解するのに長い時間がかかる)だけで、本質的に同じことのように思えるわ。
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