なぜ南米レストランが沖縄そばを出すのか?

旅と境界と
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鶴見に南米のコミュニティがあると聞いた

自分が高校の時はそんなこと想像もしなかったけど、年をとった今では国際結婚していて、日本の他に自分の第二の故郷はイギリスだし、第三の故郷はスペインだと思っている。(割と長く過ごし知人もいる場所というくらいなんだけど)

そんな故郷が分散するみたいな自分の環境に共通性を感じて、鶴見に南米のコミュニティがあると聞いて以来、1回行ってみたいと思っていた。

昨日、知人からそのコミュニティをめぐるイベントがあると聞いて、夫も一緒に参加することにした。

横浜に引越して9年も経つので、ほとんどの横浜の区には行ったと思っていたのに、鶴見は迂闊にも川崎か東京だと思っていた。

各駅しか止まらない最寄りの京急線駅で乗った後、、意外にも20分以内くらいであっという間に京急鶴見駅に到着した。

 

鶴見区役所「インターナショナルラウンジ」によるイベントに参加

イベントのことは詳しくは何も知らなかったのだけど、インターナショナルラウンジという鶴見区役所のイベントだった。

ボランティアの人が鶴見区の外国人コミュニティをめぐる歴史を、30分くらいかけスライドを見せてくれる。

まずスライド会場の入り口で「名前を書いてください」と言われる。私には日本語、外国人の夫には英語で話しかける。夫が「どうやってスペルを書くの」と私に向かって聞くので、

「意味がわからないんだけど。自分の名前のスペルを知らないとか?」

「日本語で書くの?英語で書くの?」

狭い入り口で4、5人くらいの人が立って私たちが書き終わるのを待っていた。

「私に聞かないで、目の前の人に聞いたら」

つい強い感じで言ってしまったのは、コミニュケーションが複数言語で時々難しいから、イラついてしまうことも関係あるかもしれない。

会場に戻るとみんなが小さな会議室へ入っていく。

あとはレクチャーをきいてツアーに参加するだけだ。

 

なぜ南米レストランが沖縄そばを出すのか?

スライドで、スペイン語で何やらと「沖縄」という日本語の二か国語で書かれたレストランの看板が映される。

なあんと、南米レストランと沖縄料理店を兼ねているという。

なぜ南米レストランが沖縄そばを出すのか?

発端は、第二次世界大戦中、沖縄でたくさんの人が殺されたことだった。

戦時中は「敵」だったアメリカ兵が戦後、沖縄にあふれ、その沖縄にいたくない、、、と思ったのか沖縄の人たちが辛い過去から逃れるように、第2の人生をブラジルや南米に求めて移住した。

その後日本の政策や法律の改正などで働けるようになった沖縄出身者の子孫たちが、日系ブラジル人や日経ペルー人として鶴見にコミュニティを作ったという。

なんていうか、、、単純に「外国人労働者」とかではなくて、まず戦争があって、沖縄の昔の人の悲しみから始まったんだな。

まとめると、

(第二次世界大戦中)

米軍が沖縄へ攻撃

(日本の国策)

傷心の沖縄住民が南米へ移住

(日本の国策)

南米で生まれたその子供らが親らの故郷の日本へ移民

 

なるほど、

沖縄出身の日本人の親を持ち、

南米で生まれ育った。

だから両方の食べ物を知っている、

 

ってそういうことか!

 

子供の頃ミステリアスに思えた、朝鮮人学校に初めて足を踏み入れる

その後ボランティアの人に従って、朝鮮人学校で話を聞くことになった。

鶴見区には韓国、朝鮮につながる人たちも、朝鮮戦争や韓国迎合など日本の国策を経て、南米人以上に多く住んでいるそうだ。

昔電車の中で、チマチョゴリを着た高校生を見て、なんだか別世界の人たちのように感じていたなあ。

この人たちはどんな社会に住んでいるのかしら〜と、私にとっては朝鮮人学校はミステリアスな場所だった。

以前賃貸で横浜のアパートの部屋を探していて、見に行った時、隣が朝鮮学校だと、不動産会社の人が教えてくれたのを覚えている。

郊外の静かなところで、2階のアパートの部屋からその朝鮮学校が見えた。

結局狭いとか駅から遠いとかで借りなかったんだけれども、確かその朝鮮学校でその後差別に対抗するアートの催し物があったとニュースで読んだ。

まぁとにかく朝鮮学校は、ちらっとアパートの2階から見ただけだったんだけど、その日は違う学校だけど学校の中に入ることができた。

以前アパートの階段から見たのもそうだったけど、別に校内の雰囲気は普通の学校と変わらない。

けれど自分が行っていた小中学高校のどれよりも小規模な学校だった。

描かれている文字はほとんどハングルだし、建具のデザインも韓国に旅行した時見た建物を彷彿とさせる美しい格子でできた伝統的なデザインだ。

屋上に連れて行かれると、若干屋根のシルエットが朝鮮ふうの東屋がある。

ここには故郷の習慣のまま、将棋などを指しに来るお年寄りがいるとのこと。学校の人が言うには、朝鮮学校は子供だけのためではなくて、在日の大人も集まるコミュニティーの役割もしているそうだ。

その東屋のある建物の中心線が、朝鮮半島の方を向いているんだって。

 

たとえ何人でも、遠い国から思うふるさとは聖域なのかもしれない

思い出した。イギリス出身の夫が今の自宅を気に入った理由が、外観からして英国ぽいデザインの家だったから。

その中で最もイギリスっぽい外国の建材などを使った部屋は1番のお気に入りだ。

他の部屋は、夫は床に物を散らかし放題で、何年も片付けたこともない。

なのに、その特にイギリスっぽい部屋に、私が1つのコーヒーカップ、ラップトップ1台を置きっぱなしにしただけで、厳しい顔で「片付けといてね」と言われる。

つまり夫にとってその部屋はそれだけ大切な侵してはいけない聖域なのかもしれない。

と思えばそんな朝鮮学校の話も当たり前のように飲み込める。

その後「消費税増税後に朝鮮学校以外のほとんどの幼稚園が無償化になったのは、差別だとして政府関係先に改善を求めている」という幼稚園関係者の説明が続いた。

私も「もしイギリスに家を買うなら絶対、畳を購入し畳の部屋を作る」と夫に宣言している。

インターネットとかで検索してイギリスで購入できる事は確認済みだ、

まあいつになるかわからないけど。

Photo by Sunyu Kim on Unsplash

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