実は広告系、出版系とで全く違う、摩訶不思議なライターの仕事の裏側

マーケティング・コピーライティング

*写真は、自分が企画編集にかかわった仕事。(広告業界系/ライターは外注)

ライティングの仕事は、出版業界系と広告業界系で驚くほど異なる

ライターになりたい人は知っておいたほうがいい、どこにも書いてないけど、(少なくとも私は見たことない)記事ライティングの裏側を書いてみたいと思う。 私は過去には紙の仕事を大量にしてきたけれど、最近はライティングならどこでもできるウェブの仕事をするようになった。

ウェブライターでも紙媒体のライターでも、ライティングの仕事はその目的によって大きく広告系と出版系に分けられる。同じライティングの仕事でも、プロセスも、やりがいも報酬も、全てが、

その文章の目的が文章そのものを売るためなのか?(出版業界系)それとも文章や記事に掲載した物やサービスを売るためなのか?(広告業界系)の目的によって、全く違うものになる。*

 

*ただし上記のような広告系出版系という枠組みから外れる新興のウエブ系企業もあると考える。また、媒体や、各企業、各担当者によっても差異がある。

出版業界系と広告業界系。一見あいまいなその境界線

見た目は記事でも、売るのはモノやサービスなのが、記事広告

それは、私が初めて雑誌記事広告と言うジャンルに関わったときだ。今でも新聞や雑誌でよくあるが、一見すると普通の記事に見えるが、よく見ると下のほうに「問い合わせ先」などと書かれ、スポンサー名が入っている、あれが記事広告(タイアップ記事)である。

私は当時クライアント側の化粧品マーケティング担当社員として、大量の化粧品のタイアップ記事制作に関わっていた。それはnonnoやMOREなどとにかくありとあらゆる女性誌の仕事で、記事が私の会社を含む特定の化粧品を好意的に扱っているのだが、実はクライアントの意向にほぼ100%従って書かれた広告で、見た目が記事なだけなのだった。

記事なのか、広告なのか?

タイアップの名の通り、資金力のあるスポンサー企業(クライアント)と、出版不況で雑誌が売れない出版社がタイアップ(結びつく)し、商品PR資料などをもとに、nonnoやMOREなどのライターが記事を書いていた。もちろん化粧品会社(クライアント)からギャラをもらっており、だから下の方にその化粧品会社の名前がスポンサーとして入るが、他の連載記事などと同じ編集者が編集し、時にはライターも同じ、有名なその雑誌の専属モデル(例えば今は女優になった杏とか、長谷川潤とか)が出ていたので一般の人はなかなかそれが広告だとは気づかなかったと思う。実際に下にあるスポンサー名がなければ、ギャラをもらわないで作る記事とほとんど内容も見た目も変わらないといってもいい。

ウェブライターの記事のかなりの部分は、広告業界系(記事広告)

記事広告と言うのは日本に限らずどこにもにでもあるようで、最近もイギリスの大手の出版系ウェブサイトの記事で、日本のコロナウィルスの状況を前向きに賞賛する記事を読んだが、よく見ると下のほうに日本政府がスポンサーとして名を出しているのに気づいた。

広告と一目でわかるものは一般的にコピーライティングといわれるが、このように記事にしか見えないけれども実際には広告である場合はコピーライティングとは言われずライティングの仕事と言われ、ウェブライターの仕事のかなりの部分が広告業界系ライティングの仕事だと思われる。

広告業界系ライターの仕事(紙媒体、ウェブライター)

広告業界系ライターって?

上に書いたのはわかりやすい紙媒体の例だが、アフィリエイトもこのジャンルであり、広告系ライティングの仕事の構造はウェブでもまったく同じだと思う。

仕事の指示をもらう相手はクライアント企業やディレクター

クライアント企業の規模にもよるが、中規模以上のクライアントの企業だと、ライティングを依頼した部署の担当社員からライティングの指示が来る。出版系よりもグラフィック(撮影、デザイン)などにも多額のコストをかけられている時は、クライアントではなく、クリエイティブディレクターや、クリエイティブディレクターとして働くアートディレクターから指示が来ることもある。

コンテンツに関わる主体性は少なめ

クライアント企業から、様々な訂正が提案される事は珍しくなく、そのたびに担当者との対面や電話、メールなどで話し合いが持たれるので、出版系よりもこの過程に時間を割かれがちになる。

情報ではなく商品やキャンペーンを売ることが目的なので、相手先企業や担当者のタイプによるが、コンテンツをライターに断りなくすっかり書き変えられ、最終的に自分の書いた内容と全く違うものになったとコンテンツが出来上がった後、気づくこともある。

 

広告記事をライティングする場合、クライアント企業に絶対的決定権がある。なので著者のオリジナリティーなどはほぼ、存在しない。(有名ライターなどで、指名での依頼であれば、ライターの意思は比較的尊重される)

広告業界系ライターの報酬

報酬金額は通常、出版系の2倍以上と言う感覚で、一般的に1〜3ヶ月以内で入金される。

ただ下記に書いたように、出版系ライティングは私の経験では訂正は少な目であることが多い。広告系は訂正が多めで、クライアントによっては非常に多く、そのための説明機会が何度ももたれる場合、忍耐力が必要になるだけでなく、クライアント企業に何度も赴く、電話やメールのやり取りが盛んに生じるなど時間も膨大にかかる。その結果、訂正が一般的に少なめである出版社よりも費用対効果が低くなることもある。

 

広告業界系ライターの仕事のやりがい

広告はスポンサーである広告主が絶対のスタンスで、著作権なども通常は広告主にある。出版系と違っていくら自分がその仕事に一生懸命情熱を注いでも、著者ではない自分の名前はクレジットされない。

何十時間何ヵ月かけて書いても、代理店担当者、クライアント担当者、ディレクターなど、間に入っている者の意思で書き直されてしまうこともある。それらの人には何のライティングの経験がなかったとしても、「コンセプトが違う」「前後関係で調整する必要があった」「上司の意思で」などという理由で、訂正変更がふつうにある。

ただ相手の企業との関係性が長く、信頼関係が築かれている場合は、ライターの書いたものが尊重され、情報交換が密になることによって成果が出せれば、やりがいは大きい。そうでない場合はやりがいを求めるのは難しいことも。

報酬の額を重視する人なら、広告の方が、出版系の何倍もの報酬になりえることはやりがいにつながる。

出版業界系ライターの仕事(紙媒体、ウェブライター)

出版業界系ライターって?

では出版系の仕事とはどんな仕事なのか。例えば私は自分が不動産投資をやっている関係で「ジョーダン・美奈」の名前で、このサイトで時々不動産投資の記事を書いている。この「楽待新聞」というサイトは、「楽待」と言う不動産投資のポータルサイトが、不動産関連情報を提供するもので、記事に書かれている物件やサービスを売る目的のサイトではない。(正確に言えばサービスを告知するための記事は存在するが、楽待が行うキャンペーンなど、自社のサービスに限られている)

仕事の指示をもらう相手は編集者

仕事の指示をもらう人は、出版社や出版社を退職した出版業界系人材が配置されたウェブ会社の編集者である。出版業界系の記事は、記事によってモノやサービスを得るのではなくて、ニュースや雑誌のように情報そのものを売る。

コンテンツに関わる主体性は多め

編集者が事前に内容を細かく章立てまで決めてくることもあれば、全く自由にテーマをライターが設定して企画書を書いてその後承諾をもらってから書くこともある。書き始めた後は、内容的には比較的自由で、書いた後で編集者に一部削除、一部追加、一部変更などをお願いされたりする。例外的に大きな書き直しを要求する編集者もあったが、私の経験では少ない。その場合でも、あくまで変更の依頼で、ライター自身にライティングは委ねられており、自分以外の誰かにまるで書き換えられてしまったことは、私は一度もない。

 

編集者が上司のようなものであるが、上司は部下の意見を基本的には理解してくれるスタンスである。

 

出版業界系ライターの報酬

広告と比べて文字数に対し原稿料は低いことが多い。ただし書籍なら増刷されれば印税が入るので、増刷のたび自分は何もしなくても何回も所得が入ってくる。ただ印税が入るのは出版物が売れなければないので不規則で不確定である。印税の入金も実際に増刷されてから1年後だったり、即座に発生しない。報酬額で言うと広告系よりも低くなりがち。

紙で書籍などは、最初に書いた時は報酬金額は非常に少ないか全くないこともある。ただ全くないと言うのは印税の場合で、出版され、印税が発生したときに報酬がもらえる。ウェブの仕事で印税と言うシステムは私は経験したことがない。経験ではウェブは原稿料が1回支払われたらそれ1回きりである。またウェブ系ならば契約内容によるが、1〜3ヶ月以内に入金されるのが普通だ。

 

出版業界系ライターのやりがい

基本的には自分の名前が著者としてクレジットされ、自分が調べて書いた内容がほとんどそのまま出版なり投稿されることが多い。テーマや章立てなどだけ、事前や途中で編集者と話し合う形になる。

報酬が低めであること、報酬が入るのが紙の場合は遅い事さえ気にしなければ、自分が書いたことがそのまま反映されて、自己承認欲求が満たされやすい。編集者もこちらの意見を基本的に重視してくれることが多いので、途中の変更ストレスも少なく記事が出版やウェブ投稿された時のやりがいはとても大きい。

ただしこれもクライアント企業次第で、編集者のタイプによっては厳しくリライトを要求してくる人もいる。自分が編集者とはどれだけ折り合え信頼関係を築くことができるかがネックになる。

まとめ、メリット、デメリット

広告業界系ライター

メリット

報酬が出版系の2から4倍ぐらいになることもある。長期でクライアントと信頼関係を築くことができれば自分のオリジナリティーを出しやすくなる。

デメリット

資金を出してライティングを依頼するクライアントの言うことが絶対になる。商品やキャンペーンを売るのが目的なので、変更依頼も頻繁でライターの側の書く内容の自由度などはないと思った方がいい。どんなにライティングが上手くてもクライアントを説得できなければクライアントの言うことが優先されるので、クライアントとの交渉の方が、実際のライティングのスキルよりも結果に反映されやすい。

 

出版業界系ライター

メリット

紙でもウェブでも、ライターが著者として扱われ、オリジナリティーが尊重されるので、ライター自身の考えを反映でき、書く内容の自由度が大きい。訂正も限られるので、訂正に費やす時間が少なめ。

デメリット

一般に報酬額は広告系よりかなり低めで、紙系だと入金も遅め。

 

 

 

 

 

 

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