ロックダウンの最中に引っ越し

ロックダウンのイギリス

夏、外で涼むかわりに、太陽を浴びるイギリス人

イギリスでも気候変動でかなり暑い日がしばらく続くこともあるらしいが、ちょっと太陽が照ると、すぐに雲で隠れてしまうと言う天気が普通で、太陽が照っても暑すぎると言う事は滅多にない。

ちょっと前まで住んでいたテラスハウスの一帯では、家の前に広い庭があって、ロックダウン中は異常に天気がよかったので、隣の女の子は毎日庭でリフティングや腕立て伏せをしていた。向かいの家では、友達らしい毎日二十歳くらいの男女が、かろうじてソーシャルディスタンスをとって玄関の階段周りに座って延々と喋っていた。

今引越ししたところは、家の前が狭くて1mしかないので、道路に玄関入り口がそのままと言う家では歩道に椅子を出してまで、日差しを浴びるチャンスを逃すまいとしている。そのみんなの外に出ている様子は、昔の日本の夏に涼むために都会の人が外に出ていた光景を思わせる。年中冬のような気候のこの国では涼を求める代わりに光の暖かさを楽しむために外に繰り出しているのだけれど。

 

イギリス労働者階級の暮らし

左の黒い柱に今も残る、昔の洗濯物干しの右にちょこんとついている滑車。

私たちは「フラット」といわれる、昔からある二階建ての家を上と下の階に分けているタイプの住居の上の階に住んでいる。ここに初めて引っ越して来た時、まるで初めての国を訪れたような感じがしてならなかった。下の階の夫婦は、勝手口を開けっ放しにして裏庭へ出たり入ったり、ともにタバコを吸ったりスマホを見たり、大音量で音楽を聴いたり、1日中外にいる。

裏庭は私たちの住むフラットと共用なのだが、私たちの住む方と多分この夫婦が分けて木の柵を作っているにもかかわらず、ゴミなどは全部私たちの庭のほうに置きっぱなしで、自分たちの柵の中には自分たちのお気に入りのもの植木鉢やアウトドア用のテーブルや椅子を置いている。

 

昨日は下の旦那さんの方が、朝から夕方までかけて庭の壁に簾を貼り付けてDIYに励んでいた。さらに翌日はまる1日かけて、庭を高圧洗浄機みたいなもので洗っていた。旦那さんはエリーと言う奥さんの名前を呼ぶときとても優しい声で呼ぶ。そしていつも夫婦どちらかまたは両方が庭にいる。裏口には滑車のついた柱が立っているが、これは今は使われていないが、多分昔洗濯物を干していたロープを回すために使われていたのかなあと思う。

 

ロックダウンの最中に引っ越し

この家は多分築100年以上で、この辺は小さな漁師の港があって、その港の側に大きな船のドックヤードがある。数キロ先に大英帝国時代に造船で有名で、世界中にその船が渡航していたことで有名な街があるので、そう言う船の修理などをしていた会社が多かったらしい。多分ここに引っ越す前に住んだ海沿いのフラットでは昔そういった船会社の重役が住んでいて、その後引っ越した今のフラットには、船会社の事務所か工場かで働いていた人が住んでいたのではないかな。

海辺の貸別荘には可愛らしい子ども部屋にビクトリア時代のおもちゃが置いてある。

海沿いの元別荘地とこの庶民的なアパートが多い地域では、雰囲気が全然違う感じ、自分にとってはこれまで住んだことのことのないイギリスの異文化エリアだったので、「なんだか今の方が外国に来たって言う感じ、まるで休暇みたいな気分がすごくするのが不思議だわー」と言ったら、夫はびっくりしたように「僕は全然そんなこと思わない、それにこの家より引っ越す前の海の前の家の方がずっと好きだよ」と言った。

引っ越しした理由はいろいろあるが、まず海辺の高級住宅地のフラットはふつうの賃貸ではなく「ホリデーコテージ」と言われるウィークリーマンションのような、貸し別荘のような短期貸し住宅だった。思った以上にロックダウンが長引いて、長期滞在すると家賃がとても高くついたこと。大家さんは親切で長期割引をしてくれて、結果として家賃はどんどん安くなったけれど、その条件としてインターネットから新しい短期予約が入るたびに、同じ建物内の別の空室のフラットへと移らなければならなかった。いつまでロックダウンが続くわからず、契約書がなくホテルのような課金システムなので、移る代わりに退去を求められたら、、、と不安に感じた。

 

イギリスの下町は、東京の下町に似ていた

下の人からの雑談が聞こえてきて、むかーし東京の江戸川区と言う下町の長屋に住んでいた時のことを思い出した。隣の四畳半一間に住んでいた夫婦が鳥を飼っていて、いつも鳥の鳴き声がして、奥さんはいつも鳥に話しかけていた。今いるこのフラットの下の夫婦もちょうど同じ30代後半位の年齢で老犬を1匹飼っていて、よく犬に指図したり注意したりしている。

当時、隣の4畳半の夫婦が喧嘩をしているのを見た記憶は多分1回くらいしかなかった。奥さんは卵の表面みたいにツルツルの肌をしていてすっぴんだった。でも髪を染めていてなんとなく昔客商売をやっていたのかなと思わせるような、愛想が良い世話好きな感じの人だった。いつも窓を開けっ放しにして鳥に話しかけたり夫に話しかけたりしていたが、2人とも幸せそうだった。共通しているのは2組とも家にいるのが好きで仲が良いこと。

それでも引っ越ししてわずか数日で、下の階からの苦情を大家さんのショートメールで受け取った時には驚いた。苦情の内容は、私たちの騒音だった。「えー毎日下の階の大音量音楽、DIY、高圧洗浄でこっちが我慢してたのにね」と私が言うと夫は「大家さんが言うには、下の階の奥さんはキーワーカー(医療従事者)で夜勤明けの朝、うちが玄関でデリバリーの人と大声で話をしていたのが困るってさ」

 

引越しの挨拶は、” See you around.”「よろしく!」

そんな苦情で下の階の住人に少々疎遠な印象を持った頃、うちのWi-Fiが頻繁に途切れた。夫が大家さんにショートメールをして、ついに今日、修理の人が来た。修理の人が何時間もモデムが置いてあるリビングダイニングに陣取って修理しているので、お昼ご飯は外で食べることにした。

私たちも天気の良い日に庭にいるのは実は大好きなんだけど、広くない庭でゴミの山積みや、隣でノコギリや高圧洗浄機、大音響の音楽ではあんまりくつろげない気がして、これまでのところ一度も裏庭は訪れていなかった。

今日も下の奥さんはいつも通り裏庭で何か洗濯物を干したりとか家事をしていたので、2階の裏口から顔を出して「こんにちは、しばらくここに住みます。よろしくお願いします」と言ったら(「よろしくお願いします」って英語に該当する訳文はないので、「引っ越し先で隣近所に言う場合、なんていうのがいいかな?」と直前夫に聞いたらハローだとかサンキューだとか言ってて、なんか違う気がしたので自分で考えて” See you around.”と言った)下の奥さんも「よろしくね!」(実際には”Of course. See you around.”と言った)と笑顔で挨拶してくれた。

それで、下の階の奥さんがそばで家事をするのにお構いなしに、私たちが自分たちのランチを持って外に出て、ゴミ箱のそばにあった朽ち果てかけたベンチに座ろうとしたら、「これ使う?」と言って下の階の人がいつも座っている椅子とテーブルを持ってきてくれた。「ありがとう」と言って使わせてもらって、お昼ご飯は裏庭で食べた。

 

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