今年もブラックベリーが豊作みたい。数日前からちょっと近所へ散歩に行くたびに、1キロ位取れる。
森や草が多い公園、丘の上や小径、昔鉄道だった自転車道などに、自然が育てたブラックベリーをたくさん見る。
そんな道を歩けば鳥の声は透明に空へと響き渡って、知らない人でも笑顔で挨拶を交わす。
野生のブラックベリーを摘んでると、子供の頃読んだ物語(コラム参照)に迷い込んだような気がする。
イギリスの夏は、朝夕は涼しく、日中も湿気も少ない。パイやクランブル、シリアルに入れて食べたりしながら、夏を惜しんでいる。
野生のブラックベリーの実の選び方
近所であちこちに生えている熟れた実だけを摘みながら歩いている。
黒くなって初めて美味しいのだけど、まだ90%位が緑から赤で、10%ぐらいしか食べられる程度に色づいていない。
黒いからといってなんでもいいわけでもないけれど、とりあえず黒いのをとっておけば大丈夫。
去年もずっと摘んでいてやっとわかったこと、黒いだけではなくて触って、ふっくら柔らかいのが良い。
黒くても硬いものは食べてもやっぱり硬い。硬いのはあまり美味しくない。
でももう黒くなっているのは2日ぐらい置いておけばすぐに柔らかくなって食べごろになる。
ふっくらと柔らかいのが味も甘酸っぱくて最高においしい。
あんまり食べたことない人もいると思うけど、イチゴの味をよりジューシーに、ギュッと凝縮したような感じ。
逆に熟れすぎて、これまた硬くなったやつは、味があまりしない。
この柔らかく、ちょうど食べごろっていう期間が1〜2日ぐらいしかなくて、その絶妙な1日に食べると甘さと酸っぱさがバランスよく味が濃い上、感触もふわりと柔らかのだ。
野生のブラックベリーを摘む際の注意
ブラックベリーには鋭い棘がある。
だからブラックベリーを摘むなら長袖で、ジーンズにスニーカーなどがおすすめ。
ヒラヒラしたスカートやタイツ、華奢な靴は足元と袖口が棘に引っかかりやすい。
ブラックベリーの木は高いと2メートル位になったりする。
そしてどこまでも続いていたりする。
あんまり色づいてるのがなかったりとか、逆にもう季節が過ぎてしまってみんな硬く乾いてしまって、柔らかく食べれそうな実がなかったりすると、うっかりずんずん奥に行ってしまったり、手を茂みに差し込んだりするかもしれない。
そうすると手や洋服が棘に絡まって、洋服がほつれた手から血が出たりするので、無理せずに手が届く範囲で、そっと気をつけて摘むのが良い。
野生のブラックベリーを摘む際の注意2
先日ネトルがブラックベリーに絡まっていて、ブラックベリーを摘んでいてネトルの葉を触ってしまった。
ブラックベリーと葉の形がそっくりで、触ると後で肌がチクチクする葉ネトル。(Nettle)
でも見分け方は簡単、ブラックベリーにはバラのような棘があるけど、ネトルにはない。
ネトルの痛みは火傷に少し似てじんじんとした。
ツレが擦ってチクチクを緩和するというドックリーフという葉を近くで見つけた。
チクチクした手をドックリーフを擦った後は、一旦痛みが消えたものの、その後手で水を洗うとやはり火傷をした時のようにその部分がヒリヒリした。でも翌日には痛みが消えていた。
ちなみにネトルはイラクサ、食べられるらしい。(調理するときは、手袋が要る)
さらに、ブラックベリーの実はやや高いところにある実を摘もう。
私がよくブラックベリーを摘む小道は、近隣の人の散歩道になっていて、私は誰かの犬がブラックベリーの林に向けておしっこしているのを見たことがある。
ブラックベリーの栄養価は?
ブラックベリーはちょうど食べごろなものを選ぶと甘酸っぱいけどそれ以外は酸味が強くて、ビタミンCが豊富なのではないかと思って調べてみた。
また色が濃い植物には、ビタミンEが多いことが多い。
ブラックベリーの中で特に多いのは、食物繊維とビタミンビタミンCであった。
ブラックベリーの栄養価
左は(おおよその1日の必要量)と、右はブラックベリー100 gあたりの栄養価
ビタミンC(100mg) | 21 mg | カルシウム(800mg) | 29 mg | |
鉄(7.5mg) | 0.6 mg | ビタミンE(6mg) | 1.17mg | |
食物繊維(21g以上) | 5.3g | マグネシウム(340mg) | 20 mg | |
カリウム(2500mg) | 162 mg |
引用元
US Department of agriculture
ブラックベリーの食べ方
私は今日散歩に行って、途中の公園でブラックベリーをたくさんとって、ちょうど小さい子供が通り掛かって「ねぇ何摘んでるの?!」と言うので、摘んだばっかりのブラックベリーをあげたら口に入れて「Yummy (おいしい)!」とうれしそうだった。
ブラックベリーはどちらかと言うと酸味が強いので、イチゴ同様、コンデンスミルク、普通のミルク、クリームやハチミツなどがぴったり。
ケーキ作りに使うなら、まろやかなチーズケーキとかチョコレートケーキとかに合う。
写真上、近所で摘んだブラックベリーとガーデニングのイチゴのチーズケーキを焼いた。ブラックベリーは単独だと酸味が強いけど、チーズと一緒だと絶妙なおいしさ!パイ生地は少々手間でも中はクリームチーズとクリームと砂糖を混ぜただけ。
写真下、りんごとブラックベリーのパイは甘いりんご方が圧倒的に多い量で、砂糖入れずにいたらブラックベリーの酸味がとても勝ってしまった。
そこでカスタードクリームを(そのままで売っている)を電子レンジで温めてかけて食べたらおいしかった。
ブラックベリーは黒いのでも、果汁は赤い。
コラム 「木いちごの王様」のお話
「木いちごの王様」はイギリスではなくて、北欧フィンランドのお話みたいだけど、小さい時、大好きだった。
何十年も経って夫に出会った頃に、子供の頃姉と森にブラックベリーを摘みに行って、たくさん摘んでジャムを作ったと言ってたのを聞いて、この話みたいだと思った。
木苺の英訳は(ラズベリー)、でもブラックベリーも木苺の一種だ。
小さな姉妹が木苺を摘んで森の中に入って道に迷ってしまう。
暗くなってお腹が減るとごちそうが、眠くなるとベッドが森の中に突然現れるとか、そういう魔法の場面に驚きうっとりした。
よくあるように、これはこの子供たちが、過去に家の庭で助けた芋虫が森の王様だったので、森で迷い夜を明かした子供たちに王様がご褒美あげたのだった。
小さな姉妹だけで、森の中で迷って真っ暗になるものの、こんな不思議な事が起こって無事おうちに帰れた。
木苺を摘みながら森の中に入って、立派なごちそうとふかふかのベッドがプレゼントされる場面などはもちろん、木いちごの森や姉妹の可愛らしいイラストが印象に残る本。
参考文献
「木いちごの王様」
https://www.amazon.co.jp/木いちごの王さま-岸田-衿子/dp/4087814645
日本では絶版になっているよう。原作はサカリアス・トペリウス
US Department of agriculture
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