イギリスの家ーリビングルームに給湯器の謎

イギリスで家を買う!
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わが家のリビングダイニングルームから給湯器を移動するため、悪戦苦闘の道のりと、解決した全く別の方法について、ちょっと書いてみました。

 

リビングルームに給湯器

わが家には暖炉がある部屋

(イギリスの家の大半のリビングルームには、たとえ見せかけであっても暖炉があり、暖炉=リビングルームな印象)

以外に、そこを通らないとキッチンにいけない大きい部屋がある。

そこがつまりLDKリビングダイニングとも言えるわけで、

家を購入前に内見した時、そのリビングダイニング(不動産広告にはレセプションルームと書いてあった)の壁に、巨大な給湯器があったのである。

でも、この国で育った夫はもちろん、その時点ですでに30軒ほどの家をみていた私も、別に驚かなかった。

この家を見る直前に内見した家にも、その前に気に入って買い付けを出した家にも、どちらにも、なんと、

寝室に給湯器があったのだから!

 

なぜ、リビングに給湯器があるのか?

イギリスでは普通、給湯器は室内にある。

気候が寒いから凍結の可能性なども関係してるらしい。

給湯器は、煙突というか、外気へ排出する管の設置が法律で義務付けられている。

イギリスの街中の家は、テラスハウスといって左右が繋がっている長屋が多い。

 

だから左右に別の世帯が住む日本のマンションのように、外に接する壁の面積が限られる。

その結果、寝室など、とんでもない所に給湯器がどーんと設置されている家はあまり珍しくない。

寝室に比べたら、我が家の「リビングダイニングの給湯器」などまだ良い方だ。

 

 

「リビングルーム」イギリスでの呼ばれ方いろいろ

会話でよく使われるのは、表の下の方のLIVING ROOM、SITTING ROOM、LOUNGE。*でもイギリスでは下に書いた6通り以上の実に色々な名称で呼ぶ。

 

・DRAWING ROOMドローイングルーム

客間が複数ある大きな家で、そのうちのひとつ。控えの間。

ドローイング=控える

・PARLOR パーラー

古い用語で今はあまり使われない。

・RECEPTION ROOM レセプションルーム

お客を応接する、応接間

(レセプション=応接)

・LOUNGE ラウンジ

個人の家でも、オフィスでも、ホテルでも、人が集まるようにゆったりくつろげる椅子が配置された部屋なら、どこでもラウンジ。

(ラウンジ=くつろぐ、の意味もある)

・SITTING ROOM シッティングルーム

こじつければ座敷のニュアンスかな?

シッティング=座る

・LIVING ROOM リビングルーム

家人がふだん居る部屋、居間

(リビング=暮らす)

上記リストの上の方はやや社会的ステータスが高い人の家。わが家の広告を初めて見たとき「レセプションルームが2つ」との表記だった。家の売買広告では一般の家でも「レセプションルーム」「ドローイングルーム」という用語を好む。これって日本でも普通の家の売り広告でも「丘に佇む邸宅」みたいに、立派そうな用語を使うのと似てるかもしれない。

日本語のように「ルーム」を省略して「リビング」で部屋をさすことは絶対ないのに注意。(Livingだけだと「暮らし」の意味)また「リビングダイニング」も部屋を意味する語としては使わない。(どうしても使いたいなら「ルーム」をつける)

 

 

ネットのディスカッションサイトの意見

給湯器の場所に悩む人はやはりいるらしく、ネットのサイトには、

「寝室に給湯器を設置したら、家の買い手がいなくなる、家の価格が落ちる」

と書かれていて、

やっぱりイギリスでも「寝室やリビングに給湯器」は、他に場所の選択肢がないからそうなったらしい。

でも我が家のリビングダイニングの給湯器はでもキッチンの真裏にあって、だから真裏のキッチンに給湯器を移すのは、パイプなどはほぼ同じ位置なのでそこまで大変ではないのではかと、うっかり判断したのだった。

 

リビングから給湯器を移動させたい

 

実際にガス屋さんに見積もりを出してもらったら、そこまで高くなく、お願いすることにした。

 

ところが工事日2日前になってこのガス屋さんは「全額前金として払ってくれ」と言ってきたのだ。

 

このガス屋さんはネットで検索して頼んだので、面識があったのは見積もりに来た30分程度。

 

しかも工事日は見積もり日より2ヶ月ほど後でもう顔も覚えていない相手に工事代金50万近く全額前払いは不安があったし、近くなのでせめて顔くらい思い出して信頼できる相手かどうか確かめたいと思い「工事前ご挨拶に言ってから支払います」とかいてメールした。

 

 

イギリスの給湯器価格

イギリスの給湯器価格は検索すると日本よりやや高額だけどそれ以上に、設置費がとても高額。

その一つの理由としては、給湯器が単にお湯を供給するためだけでなく、コンビボイラーと言われ、暖房器具も兼ねていることが関係していると思われる。

イギリスの暖房はセントラルヒーティングで、給湯器のお湯が、張り巡らされた長いパイプを通して家中を温め、暖房として機能している。

日本で貸している家の給湯器をほぼ同時期に交換して、給湯器が11万で設置費は4万円弱だった。

イギリスの最初の人の見積もりは給湯器が16万で、設置費が20万以上、それに移動費が10万円弱で合計50万円近くした。

 

 

工事請負会社へ「ご挨拶」する文化はイギリスにはない

夫の話だと工事請負会社に「ご挨拶」する文化はイギリスにはないと言う。

そこでわざわざ「妻が日本人で日本では大きな工事では挨拶するのが慣例だから」、なんてメールで書いたのに、最初は「どうぞ」と言ってきたガス屋さんの家のそばに来て「今から行きます」と念の為ショートメールを出したら「子供の送り迎えがあるので一時間後にして」と返信が来た。

で、一時間をカフェで潰して再度ショートメールを出すと「両親の世話で忙しいから今は来て欲しくない」との返信。

「いつがいいですか」と聞くと「そもそも俺のこと信用してないってことは伝わったよ。悪いけど他でやってくれ」

 

給湯器の移動で、ほぼ全員のガス屋さんに断られた

 

その後、他のガス屋さん2人に聞いたら1人は「キッチンとリビングの間のパイプは、壁が厚くレンガなので、そのままではできない。全部やり直さないといけない」とのことで見積もりが移動だけでプラス20万くらいに膨れ上がっていた。

 

でもう1人は「大変な工事なのでこれはやりたくない」との返事。

 

しょうがないので3人目に聞いたら、1人目よりは高いけど、予算以内に。でこの人に頼むことにしたら、この人も1人目の人のように前払いは言われなかったけど、工事日3日前に家庭の事情でしばらく延期したいと。

 

わかりましたと言って待っていたら、さらに延期したいと一週間後にショートメールが。

で、その直後、大変な工事なのでやりたくない、他でやってくれと来た。

 

そのくらい給湯器の位置替えは面倒なのだとわかり、もうしょうがないので最後にドタキャンした人に「位置を変えないことにした」とメールしたら、すぐ返信が来た。

 

「じゃあやりますよ」

 

「リビングに給湯器」問題、大工さんに解決してもらう

大工さんにイメージ画を渡してこのようにLDKの給湯器を、部屋の壁の一部みたいに見えないようにして、とお願いした。

キッチンで給湯器をキッチンキャビネットに入れている家はイギリスでは多い。

でもこのように壁の1部のように見せているのを見たことなかったので、心配だった。

でも大工さんには、中は給湯器入れ、棚にしてほしいと伝え、過去にやった仕事を見せてもらい、似たデザインのを指差した。

 

1、ビフォーの写真。

2、上の写真を加工して合成して大工さんに渡した、イメージ画像

3、イメージ画のようにできるか聞いたらできると言って、任せた結果がコレ

職人さんは、自分のやり方に頑固(日本でもイギリスでも)だから、

細かい要望は言わなかったけど、ほぼイメージ通りでしょ?

イギリスではこの壁に元々あるような枠のデザインがもともと一般的なので、あまり説明しなくでよかった。

 

 

ただこの大工さんは(この人は全額後払いで5万円くらいだった)は黙々と二日間作業してくれたけど、1メートルくらいの高さの材料の切れ端やゴミ全部をこのリビングダイニングに積み上げ、

「このままでいいですかね」

と言って帰っていった。

 

作業中は言っていたつもりが伝わってなかったことを正したり、ちょっと別の作業もお願いしたのでゴミは了承した。

 

すごいゴミだったけど、その後モルタル工、塗装屋と来て、家の中モルタルの汚れと埃だらけにしたまま、またたくさんの仕事を忘れて帰ったのでそっちにもっと呆れ、さらにモルタルの人が帰った後の塗装屋も。1日で終わると聞いたのにダラダラろくに仕事が進まないまま2週間も、、。

もう1ヶ月以上、廃墟でのような暮らしだったので、大工さんのゴミの山のことはもう頭の片隅に追いやられた。

 

結局、塗装屋は毎日入れ替わり立ち代わりバイトみたいな人が来て、最後の人が大工さんのゴミを、自分たちのゴミと勘違いして無事に持ち去ってくれた。

 

まとめ

イギリスの家でリビングに給湯器があるわけは、外壁が限られた長屋式の狭い家で排気口を設けようとすると、他に選択肢が無いという場合があるため。

でも例えば私の親戚宅では屋根裏に隠したり、別の親戚宅では物入れに隠している。

給湯器がリビングや寝室の家は見た目が悪く、売る時の価格にも影響するほどだと書かれている。

購入以前、インスペクションをした家屋調査士は、わが家の価格は相場より1000万円以上安く、私たちは良い買い物をした、と言ってた。

でも私は不動産にお得物件はない、という説は日本でもイギリスでも聞き、経験的にも必ず安いワケは存在する。だから色々と推測し、わが家が安かった理由として考えられることをここに全部書いた。

売主さんが家を売りたかった本当の理由

でも相場より1000万円以上安かった要因のひとつが給湯器の位置で、たった5万円ちょっとで解決できたなら、わが家で給湯器がリビングダイニングにあったことは超ラッキーだったとも言えないか?

 

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